第26回胸部放射線研究会の当番世話人を務めさせていただきます長崎大の芦澤です。一言、ご挨拶を申し上げます。
本研究会は、私が大学を卒業した昭和62年に第1回が開催されており、4半世紀を越える歴史のある会です。当初より病理医にコメンテイターとしてご参加頂き、画像・病理の対比を主体に行われてきました。稀な症例やcommon diseaseですが画像が非典型的な症例を、病理像と一緒に学ぶことができ、私自身、毎年楽しみにしています。今回も、“病理診断が得られており、画像または病理所見上、興味ある症例”を、多数応募していただきたいと思います。
第23回からは、病理診断の有無にかかわらず、より実践的な症例を拾い上げるため要望演題が設けられました。今年の要望演題は、“感染症(原病の画像診断に加えて、治療方針や合併症が興味深いもの)”を考えており、病理診断が得にくく治療方針がしばしば問題となる領域に焦点を当てたいと思います。コメンテイターは呼吸器科医にお願いする予定であり、臨床医の生の声を聞き、皆さんと一緒に学びたいと思っています。
一昨年(第24回)には、会場の聴衆参加型のQuiz演題が初めて企画されました。まず演者に診断名をふせて画像を呈示していただき、会場で短い討論を行った後、解説していただくものです。以前のアンケートで要望が多かったfilm interpretationの簡易版に当たります。Quiz演題は各セッションの最後に予定したいと思います。画像所見がユニークで確定診断につながる情報がある症例をお持ちの方は、奮って応募をお願いします。
今回の胸部放射線研究会は、12年ぶりに長崎市で開催されます。西洋医学の発祥の地である長崎で多くのことを学び、さらに観光、おいしい料理などを堪能していただければ幸いです。是非多数の方々にご参加いただきますようお願い申し上げます。
平成24年4月2日
当番世話人 芦澤 和人
長崎大学病院がん診療センター